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(2日目)変わる氷河 [オーストリア旅行(2007年7月)]

パステルツェ氷河へはケーブルカーに乗って降ります。

 

ケーブルカーが到着する場所は1960年時点で氷河の末端があったポイント。

40年以上前から氷河が溶け続けているということを目の当たりにして、最近騒がれている地球温暖化は今さら始まったことではなく、自分の生まれる前から進んでいたんだなあと、この時は感じました。

氷河末端までは30分くらい歩く必要があります。

5年毎に氷河の末端があった場所を示す看板が立っています。
大体5年経過すると高さが5m低くなっていく感じでした。

1970年             2000年

 

ところが、2000年から2005年までの位置は10mほど低くなっていて、さらに2005年から2年しか経っていないのに氷河はさらに10m下にあって、この10年で異常なほど温暖化が進行していることを実感することになりました。
個人的な旅行のため飛行機に乗り、ドラム缶5,6万本分の燃料を消費して温暖化について考えるのも身勝手で皮肉な話ではありますが、今の地球は確かにどうかしてきているようです。

2005年のポイント。

氷河の上へは簡易の階段が作られていて登ることができます。

歩ける範囲はかなり制限されていますが、それはクレバスのせい。
「落ちるな危険」の看板が置いてあります。

 

氷河の上流を見ると、足元まで氷の塊が流れてきているのがよく分かりました。

 

フランツ・ヨーゼフ・ヘーエでは遊歩道があって、オーストリア最高峰と氷河を眺めながら散策することができます。

地名に名を残す皇帝フランツ・ヨーゼフ像

 

しっかり歩いた後はお腹が空くので、さあ、食事。
ツェルアムゼーへ戻るバスまであまり時間がなかったので、簡単にラザニアとパプリカスープ。
飲み物には白ワインを炭酸水で割ったGesprizterを。
ワインの味が炭酸水で薄まっているので初めは???となりますが、しばらく飲んで慣れてくると、こういう飲み方も有りだなと思えました。
うーん、何と言いましょうか、食事の時に水感覚で気軽にアルコールを楽しめる、なかなかに頼もしい飲み物です。

 

 


山ができるのは変わるから。
美しいと感じるのは景色が変わるから。
美しい景色がどんどん遠ざかっていくのを見ながら寂しく思いながらも、景色が変化するお陰で美しいということを感じられるのかなあ、なんてことを帰りのバスで考えてました。


これは汚い、これは綺麗、

退屈、楽しい、

不満、満足、

全部ひっくるめてありのままで、一方があるからもう一方があるのに、片方だけをいい所取りをしようとするのはあたり前のことですが、そもそも虫が良すぎる話なのかもしれません。
かといって、嫌なことに喜んでしまってもMな人間になっちゃいますけど。


月並みですが、調子のいい時には謙虚に、悪い時は前向きにやっていくしかないんでしょう。

 


 

この日のうちにザルツブルク行きの電車に乗りますが、ツェル・アム・ゼーではまだ湖を見ていなかったので出発までしばらく散策。


楽器の音が聞こえてきたので、音の方へ向かうとちょうどコンサートが始まるところでした。現地の中学生バンドでした。

写真ではあまり観客がいませんが、それは直射日光が当たるから。
38度の猛暑で、日が当たる席は見事に避けられて、ほとんどの人が湖畔のプロムナード沿いの木陰で聴いてました。
演奏曲はフィガロの結婚・序曲。
音楽の国オーストリア、ということで初めは身構えて聴いていましたが、演奏はとても中学生らしくて、自分の中学時代にブラスバンドでフィガロの結婚を演奏した時のことをリアルに思い出してしまいました。
音って不思議なもので、記憶の鍵になりますね。
18年前の部員の顔、演奏している姿、音が一度に思い出されました。

 

踏み切り待ちしている人々。
暑そうです。

 

 

 

いざ、ザルツブルクへ。

(つづく)


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コメント 6

YAP

氷河が縮小しているのを目の当たりにすると、温暖化の深刻さを実感できるでしょうね。
私たちができることをコツコツとしていくしかないのでしょうが、いろいろな環境がそれを超える速度で破壊されているというのは、なんとも悲しいですね。
by YAP (2007-10-28 10:08) 

miffy

今年の夏もスッゴク暑くて、冷房なしではいられませんでしたが、そのことで地球温暖化が進みまた暑くなるんですよね。
この前飛行機の中から見たアルプスの山々もビックリするくらい雪が少なかったです。
人の行かないところや美しいものを見るためには飛行機や車を使わないわけにはいかないし、美しい自然は残していきたいし、どうしたらいいんでしょうね^^;
by miffy (2007-10-28 12:06) 

めぎ

Gesprizterはうちでよくやってます。自分の好みにワインを薄めて飲むのです。勿論ワインをそのまま飲むこともありますが、こちらの人って、ワインをありがたがって飲むと言うより、ほんとお水のように好きなように使っているという感じがします。
温暖化の深刻さはそんなに!ドイツでも、休暇は国内で過ごすようにしましょう、などと政治家が発言したりしています。休暇で外国に行く飛行機の燃料がいけないと言うことで。いくら車や発電やらエコに頑張っても、飛行機は今のところどうしようもないようですからねえ。でも、休暇好き・旅行好きのドイツの人の耳には入らないようですけどね。
by めぎ (2007-10-28 13:29) 

momonon

オーストリアは行きたいと思いながら、まだ行けてません。綺麗ですね。しかし、氷河のこの現実をみて、ブッシュは何も思わないのかー、とアメリカにいると思ってしまいます。
by momonon (2007-10-29 13:53) 

ほんと、地球温暖化を考えると、旅行者の行動、
移動方法もそろそろ本気で変えていくべきな気が
しますね。
by (2007-10-30 12:43) 

くっさめ

地球温暖化対策が成功するかどうかは、人間のダイエットが成功するかどうかに喩えられるそうです。
対策として運動をどれだけやっても、食べる量(エネルギー)を根本的に減らさないと結局は運動をやっただけということだそうで。
なるほどなあと思いました。

>YAPさん
「不都合な真実」の映画でも氷河の縮小が出ていましたが、実際に自分の目で見て歩くと実感がありました。
nice!ありがとうございます。

>miffyさん
今年は本当に暑かったですねえ。
今のアパートではクーラーなしで2年間頑張りましたが、夜にぐっすり眠れなかったので、去年の夏にとうとう購入しました。
買ったら買ったでつけないのもモッタイナイからという、訳の分からない理由で涼しい日でもついついつけちゃってます。
いったん快適さを知るとどんどん流されてしまうのが悲しいですね。
nice!ありがとうございます。

>めぎさん
環境対策が進んでいるドイツでも国外旅行については矛盾をはらんでいるんですね。とても参考になります。
相方に最近飲みすぎと違う?と釘をさされているので、Gesprizterにしてアルコールを控えてみようかなと目論んでます。

>tsumujiさん
はじめまして。
ご訪問&nice!ありがとうございます。
アメリカにお住まいなんですね。
ブッシュのお膝元ですか。
世界No1のCO2排出国だけにリーダシップを取っていって欲しいものですね。

>くろたさん
原油高で飛行機代もどんどん上がっていくんでしょうけど、それで旅行者が減って、結局はその費用的なものでしかエネルギー消費を減らすことができないかもしれないですね。
人間、お金が一番の実感ですから。
ガソリン代も大変なことになってきましたね。
nice!ありがとうございます。

>きむたこさん、xml_xsl、Krauseさん
nice!ありがとうございます。
by くっさめ (2007-11-03 12:19) 

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