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硫黄島からの手紙 [映画]

「硫黄島からの手紙」を観てきました。

映画中では感動とかストーリー性とか関係なく、淡々と硫黄島での戦いが進んでいきます。

「淡々と」と書きましたがそれは、戦地での人々の日常、そして、その人たちが生きようとする様子、軍人として信じている信念、戦闘で死んでいく様子が描かれていて、残酷なほどに人間の生きる姿が描かれています。

ドラマとかでよくある「話の流れ」が出来る前に次々と人が死んでいきます。

米軍兵士、日本軍兵士が死ぬ度に戦争ってバカだと思わされますが、そこにいる人間は、現在に生きる人間と同じでした。

戦時中は大変だった、あの時代を繰り返してはいけない、そう思っていました。

でもそうやって今と時間を切り離して考えてしまうと、その時点で過去について考えることを放棄してしまっていた気がします。

だからどうすればいいというのは分かりませんが、映画で描かれた、生きようとすること、戦わなければならないこと、殺そう思うこと、信じることのために死のうとすること、死にたくないこと、大切な家族のこと、そんな気持ちが全て自分の中にありました。

 

化学反応の決まりで、平穏な状態に影響が与えられると、その影響を打ち消すように反応は進んでいくというものがあります。

戦争然り、環境問題然りで、人類が地球に与えている影響は初めは打ち消されるでしょう。でもその影響の大きさが地球が打ち消そうとしている能力以上になれば、長い目で見て人類そのものが消されていくのかもしれません。

人の体を無慈悲に蝕む癌細胞のように、人類が地球にとっての癌でないことを祈ります。

殺人を犯すけれど、自分を犠牲にして人を守ることもある。

人を憎む気持ちを持っているけれど、愛する気持ちも持っている。

人間ってつくづくバカだけど、とても素晴らしい。

 映画を観てそう思いました。


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YAP

環境問題は、私にとっては、公私共に他人事ではありません。
私が世に出している商品は、人々に便利さを提供していますが、同時に環境破壊にもつながる類のものです。
便利に慣れてしまった人間には、もう後戻りはできませんが、その中で、いかに環境負荷の低い商品を作れるのか、いかに温暖化ガス(主にCO2)を回収できるのか、いろいろと考えないといけないことはたくさんあります。
by YAP (2007-01-21 19:13) 

くっさめさんは深く考えられる方なんですね。私の思いつき、行き当たりばったりと大違い!
by (2007-01-24 23:54) 

くっさめ

>YAPさん
いつもお付き合い有り難うございます。
環境問題は言葉にすると簡単そうなんですけど、実際に実践、行動することを考えると難しいです。
一度便利さを知ってしまった以上は後戻りができない。
(YAPさんの受け売りです。。。ほんとその通りですね。)
かといってこのまま突き進んでいっては何となくこのままでええんかなあ?というかすかな疑問もある。
経済、一個人を離れて無意識に疑問を感じる瞬間、一瞬が大切な気がするけれど、便利な生活、オカネ、自分中心がちな生活に流されてしまう。
悲しいことです。
それがエントロピーは増大し続けるという熱力学の法則そのままなのかもしれませんが。
分かったようなことを言いつつ何も分かっていないくっさめでした。

>りーちさん
普段はなーんも考えてません。
たまに映画を観に行くとその映画の世界にはまってしまって、そこからどうやって抜け出そうとあれやこれやと考えた言い訳を自分勝手に書いてるだけです。
映画館を出た瞬間の現実と、映画を見て感じた世界とのギャップが怖いんです。
へんなのーなのです。
by くっさめ (2007-01-30 23:36) 

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